広島マツダが“ディーラーチーム”としてS耐に初挑戦!
3月23日、24日にピレリ・スーパー耐久シリーズ2019第1戦『SUZUKA“S耐”春の陣』が鈴鹿サーキットで行われ、101号車ヒロマツ デミオ(吉田綜一郎/佐々木孝太/ KENBOW/岡崎善衛)は ST-5 クラス6位入賞を飾った。
広島マツダが結成した「ディーラーチーム」で、昨年まではMX-5カップに参戦していたが、国内でも有名で伝統のあるシリーズであるスーパー耐久に今年から戦いの場を移した。主に各ディーラーに勤めるメカニックから毎戦5~6人が選抜され、サーキットでマシンのメンテナンスからピット作業まで行う。わずかなミスも許されず、常に臨機応変な対応が求められるレースの現場を経験することで、メカニックの育成や研修につながることが期待されている。
使用するマシンはマツダ デミオ。市販車をベースにスーパー耐久用に改造されているが、そこに広島マツダのオリジナルパーツも投入。レース参戦を通して開発を進めていくことで、マツダ車を愛用しているお客様に運転することやカスタマイズする楽しさを展開していくとともに、広島をはじめ中国地方のモータースポーツを盛り上げていく。今年は広島マツダとともに佐々木孝太が率いるKOTA RACINGがチームをマネージメント。佐々木自身も監督兼Bドライバーを務め広島マツダとともに優勝を目指す。
3月23日:予選日
開幕前の2月下旬に鈴鹿サーキットでマシンの初走行を行い、3月2日に富士スピードウェイで行われた合同テストに参加した101号車ヒロマツ デミオだったが、そこでエンジンが壊れてしまうトラブルに見舞われた。第1戦の鈴鹿まで時間が限られていたこともあり、急きょノーマルエンジンへの換装を決断し、開幕戦に臨んだ。
スーパー耐久の予選はAドライバーとBドライバーがタイムアタックを行い、それぞれのベストタイムを合計したタイムで決勝のスタートグリッドが決まる。101号車ヒロマツ デミオは吉田と佐々木がタイムアタックを担当。しかし、レース用のエンジンではないということと、細かなトラブルも多発し、なかなかスピードを上げられず。総合順位でST-5クラス9番手(総合49番手)という結果に終わった。
3月24日:決勝日
迎えた日曜日の決勝は、晴天に恵まれたものの、気温10度と寒さの厳しい中での5時間耐久レースとなった。
101号車にとっては初めてのスーパー耐久決勝レースということで燃費やタイヤの持ち具合など、細かいデータが揃っていない。そこで経験が豊富な佐々木がレース前半を担当し、マシンの状況を確認した。開始50分を経過し20周目を迎えたところでコース上でトラブル車両が発生しフルコースイエロー(FCY/安全にトラブル車両を回収するためコース全域で追い越し禁止、速度制限がかけられること)が出たタイミングを利用し1回目のピットストップを行い、ここは給油のみで再びコースへ向かった。
その後、別のアクシデントが発生し再びFCYが出された。ここで101号車は先々の展開を見越して2回目のピットストップを行いKENBOWにドライバー交代をし、上位進出を狙った。しかし、その後もFCY導入が多発し、この作戦は裏目に出てしまう結果となった。
それでも、KENBOWは着実に周回を重ね、58周目にピットイン。吉田にバトンをつなぎ、粘り強く走行。最後は再び佐々木が乗り込み104周目を迎えたところで5時間が経過。ST-5クラス6位でチェッカー。全体的にペースが伸び悩み、上位に食い込めなかったが、5時間を通してトラブルやアクシデントに見舞われることなく順調に走行した。
また広島マツダのメカニックたちも奮闘し、予選日の夜には深夜1時までタイヤ交換の自主練習に打ち込み、レース本番では大きなミスをすることなく101号車をコースに送り出していた。初めてのレース現場、そしてミスの許されないピット作業を経験したことで、日々の販売店での仕事に役立てようとしていた。
次回は宮城県のスポーツランドSUGOでシリーズ第2戦が 4月27日・28日に開催される。“杜の都”仙台郊外にあるコースで、より良い結果を目指して3時間耐久レースに挑む。