2020年10月10日(土)にピレリ スーパー耐久シリーズ2020第2戦『SUGOスーパー耐久3時間レース』が宮城県のスポーツランドSUGOで開催され、102号車ヒロマツデミオマツダ2(佐々木孝太/吉田綜一郎/大崎悠悟)はトラブルに苦しめられる我慢のレース展開となり、ST-5クラス9位で終えた。
予選でまさかのトラブル発生、決勝は最後尾スタートに
今回のSUGO大会は全8クラスを2つのグループに分けて予選・決勝を行なう方式での開催となり、102号車がエントリーするST-5クラスはGr.2での出走となった。週末に向けて練習走行から積極的に周回を重ねた102号車だが、金曜日にはミッション交換を強いられるなどピットが慌ただしくなるシーンも見られたが、今回も広島マツダの各店舗から派遣されたメカニックたちが迅速な作業で対応に当たった。
ドライコンディションではライバルの速さについていくのが難しい状況だったが、10日(土)は朝から雨模様となった。そこで少しでも差を縮められればとAドライバーの佐々木がマシンに乗り込んで予選に向かったが、ピットアウトしてすぐに右フロントタイヤのロアアームに不具合が発生。走行不能の状態に陥り、ヘアピン出口でマシンを止めてしまい、セッションは赤旗中断となってしまった。
マシンがピットに戻されてすぐに修復作業に取り掛かるも、A・Bドライバーの予選には間に合わずノータイムのままセッション終了。102号車は最後尾からスタートすることとなった。Cドライバー予選で修復が完了して走行を再開したが、その後も細かな不具合が見つかり、メカニックたちは決勝直前までその対応に追われた。
一時上位に進出するもクラッチトラブルで苦しいレースに……
決勝レース前に行なわれた8分間のウォームアップ走行ではトラブルも解消され、非常に良いペースを披露した102号車。スタートドライバーは佐々木が務め、最後尾からの追い上げが期待された。3時間耐久で争われた決勝レースだが、かなり雨脚が強いこともありセーフティカー先導で開始された。
5周目を終えたところでセーフティカーがピットに戻り、本格的にレースがスタートすると、佐々木は次々と前のマシンをオーバーテイクし11周目には4つポジションを上げて10番手まで浮上した。この勢いでさらに上位を目指したいところだったが、この頃からクラッチが滑る症状が出始めてしまい、思うようにペースが上げられなくなってしまった。佐々木はクラッチをかばいながら周回を重ねたが、本来のペースを発揮することができず、前のマシンを追い抜くのが厳しい状況だった。
ちょうどセーフティカーが入ったタイミングを利用して、レースの半分以上となる1時間35分を過ぎたところで1回目のピットストップを行ない、吉田にドライバー交代した。セーフティカー導入のタイミングをうまく使うことに成功し102号車は3番手に浮上した。吉田が表彰台を目指してさらに周回を重ねていく予定だったが、直後にコースオフ車両が発生し再びセーフティカーが出動した。ここで義務となっている2回のドライバー交代を伴うピットストップを消化するため、吉田は7周でピットイン。アンカーの大崎にバトンをつないだ。
クラス3番手をキープしてピットアウトした大崎だったが、クラッチの症状がさらに悪化している状態で、それをかばいながらの走行で精一杯となった。結果、後続のライバルの逆転を許すこととなってしまい、最終的に9位でフィニッシュした。ウエットコンディションでのペースが予想以上に良かった分、トラブルが悔やまれる結果となってしまった。