11月9日、10日に岡山県の岡山国際サーキットでピレリスーパー耐久シリーズの第6戦『スーパー耐久レース in 岡山』が行われ、101号車ヒロマツ デミオ(吉田綜一郎/佐々木孝太/KENBOW)はST-5クラス7位でレースを終えた。
予選でトラブルが発生し、急きょエンジン交換を実施
シリーズ最終戦の舞台は、広島マツダ本社からも程近い岡山国際サーキットでの開催ということもあり、決勝日には同社の従業員を中心とした約300人の応援団が駆けつけた。
そんな中、今季ベストリザルトを目指した101号車だったが、走行初日にエンジンの補機系にトラブルが見つかり、その対応に追われた。その結果、専有走行セッションで十分な走り込みができないまま土曜日の予選を迎えることとなった。
出だしから躓く展開となってしまったが、今回も広島マツダで働くディーラーメカニックが活躍。迅速な作業でトラブルを解消して予選セッションに臨むことができた。Aドライバーの吉田が1分51秒959をマークすると、Bドライバーの佐々木も1分51秒424でクラス2番手に食い込むアタックを披露。総合でST-5クラス4番グリッドを獲得した。しかし直後に行われたCドライバー予選中にエンジン本体にトラブルが発生してしまった。当時ステアリングを握っていたKENBOWはコース脇にマシンを緊急停車。なんの兆候もなく、いきなりの故障だった。予選グリッドに関してはAドライバーとBドライバーのタイムが採択されるため問題はなかったが、チームは急きょエンジン交換を余儀なくされた。なお、スーパー耐久では公式車検終了後のエンジン交換は禁止とされているため、決勝レースでペナルティを受けることとなった。
様々な困難が起きながらも、全員で力を合わせ7位完走
今回は全体を2グループに分けて決勝が行われ、ST-4、ST-5クラスで構成されるGr.2は11月10日(日)午前8時30分からスタートが切られた。101号車は吉田が第1スティントを担当。レース開始直後に前日のエンジン交換によりペナルティストップ20秒が科せられ、6周目にこれを消化。これによりST-5クラス最下位まで後退してしまうが、吉田は粘り強く追い上げを開始した。他クラスとの混走でペースが落ちた相手の隙をついて徐々にポジションアップし、開始から1時間を迎える頃にはクラス5番手まで。36周を完了してピットストップを行い、KENBOWに交代した。
レース中盤はさらにペースを上げて上位進出を狙いたかったが、ここで別の問題が発生した。コース上に落ちた“タイヤのゴムカス”が装着中のタイヤ表面に付着する『ピックアップ』という症状が発生し、思うようにペースが上げられなくなってしまったのだ。実は吉田のスティントからこの症状が発生しており、KENBOWのスティントでも必死に対処するが症状は改善されず急きょ予定よりも早めにピットインを決断。ここでタイヤ交換を行い、アンカーの佐々木にバトンをつないだ。
残り1時間を切って101号車はST-5クラス7番手まで浮上。さらに上のポジションを目指したが、ここでさらなる不運に見舞われた。他クラスで起きたアクシデントにより残り40分を切ったところでフルコースイエロー(全区間で時速50kmに制限、追い越し禁止)が導入された。この後、セーフティカー先導状態に切り替えられたのだが、この時にいたポジションが悪くST-5クラスの6番手のマシンと約1周の差がついてしまった。さすがの佐々木もこの状況では上位を狙うのが厳しい状態となったが、レース再開後も諦めずに周回を重ね、ST-5クラス7位でチェッカーを受けた。
残念ながら望んでいたようなレース結果にはならなかったが、シーズン後半から着手してきたチーム内の動き方の改革がかなり浸透し、特に広島マツダの若いメカニックたちもスムーズに作業を進め、熱心に101号車のマシンと向き合っていた姿が印象的だった。